野中郁次郎先生による知識創造の理論で、スクラムに影響を与えた理論としても有名な SECIモデル ですが、
現実と結びつけて考えることで、より理解しやすくなりそうです。
そこで「 軽く話してみる 」ことについて考えることで、 SECIモデル における 表出化 の恩恵がどの程度発生している考えてみましょう。
SECIモデルとは?
SECIモデルは野中郁次郎氏と竹内弘高氏らが提示した広義のナレッジ・マネジメントのフレームワークです。
SECIモデルは
- S ocializaiton
- E xternalization
- C ombination
- I nternalization
の頭文字からなります。
詳しくは下記でご確認ください。
empowerment-engineering.hatenablog.com
表出化(Externalization)とは?
表出化は、 SECIモデル において、暗黙知から形式知へと移り変わる場です。
クリエイティブ・オフィスの資料 によると、
- 軽く話してみる
- ワイガヤ・ブレストする
- 絵にする。たとえる
などが、表出化の行動にあたります。
軽く話してみる
業務や、それに近い内容の雑談をしていたとします。
例えば、以下のようなことが発生するのではないでしょうか?
新たな知識を得た
同僚が知っていて、自分が知らないことを教えてもらった場合ですね。
例えば
- 何らかのスキル
- 業務ドメインの知識
- 物事の考え方
など。
問題を解決できた
同僚と話したことで問題が解決した場合ですね。
例えば
- ラバーダッキングのように話したことで頭のなかで問題が整理された
- 相手の的確な質問により答えを導かれた
など。
アイデアを閃いた
同僚と話したことでアイデアが閃いた場合ですね。
おそらく自分にはない視点の考え方、知識の恩恵でしょう。
試してみよう
試した結果はツイッターや、この記事を引用したブログエントリなどで見ることができたら嬉しいです。
話してみる
この記事を読んだあと、次に同僚と話す機会に以下のような観点で話してみましょう。
- 同僚が知っていて、自分が知らないことはどのくらいあったか?それによる業務への恩恵は?
- 同僚と話したことで解決した問題はどのくらいあったか?それによる業務への恩恵は?
- 同僚と話したことで閃いたアイデアはどのくらいあったか?それによる業務への恩恵は?
想像してみる
「話してみる」を実施したあとに、実際にその恩恵を整理し、
これらの恩恵が一切無かった場合の自分や組織の成長を想像してみましょう。
まとめ
試行・想像結果はいかがでしたか?
環境によって、その質量は大きく変わるでしょうし、
本人の着目点によっても変わりそうですね。
また、相手がもともとこういったことに意識を置いている人だと、
意図的に「気づき」を促すヒントを与えてくれていることもあります。
自身がアンテナをはっていないにも関わらず多くのことが得られている環境は、知識が多く生まれる環境であり、
自身がアンテナをはっているにも関わらずほとんど得られるものがない環境は、知識が枯れた環境である、
といえるのかもしれませんね。