単なる学力とは異なり、現実世界で実力を発揮するための知能である「実践的知能」。
子育てにおいて、実践的知能を育てるにはどうすればいいか?
実践的知能の考案者である、心理学者のロバート・スタンバーグの研究内容のアウトラインを紹介し、
さらに現実の課題を考えてみます。
実践的知能とは?
実践的知能(Practical Intelligence) とは、アメリカの心理学者である ロバート・スタンバーグ が提唱した概念で、
環境に適応するための知能のことです。
以下の3つの要素によるものとされています。
- 適応( Adaptation ) - 環境へ適応する
- 形成( Shaping ) - 環境を変化させる
- 選択( Selection ) - 新たな環境を選択すること
この種の知能は世渡り上手(Street smartness)とも呼ばれます。
子どもの実践的知能を育てる方法
- 制限しないこと
- 良い質問を引き出し、肯定的な態度で反応をすること
- 子どもが本当に好きなことを見つけるのを助ける
- 知的なミスを経験することをすすめる
- 自らに責任を取ることを教える。成功も失敗も。他責にしない。内発的な動機を育てる
- 報酬を遅らせる事を覚えさせる。長期にわたる努力を継続する力を身につける
- 他者を尊重し、応答することを教える
子どもは生まれながらに質問上手なので、その質問に肯定的に応え(否定的にせず)、
子どもは生まれながらに好奇心旺盛なので、自由を与え好奇心を満たし(制限をせず)、
好きなことが見つかるように機会を多く用意し(やることを押し付けず)、
好きなことに没頭させていく(むりやりとりくませず)。
そんな感じの内容ですね。
各項目の詳細は、以下をご確認ください。
Developing practical intelligence for school
まとめ
子どもを育てる 7 つの方法、実のところ私は他の書籍で上記のようなものが大切という話は知っていたので、
そういったことが伝わるように子どもと接するように意識してきました。
ここで難しい課題となるのは学校など親の介入できない環境で「7つの方法」と対極の対応をされた場合の対処です。
子どもが失敗を表に見せることを警戒するような行動を促進する機会が多いらしく、
家では失敗を気にしない娘も友だちの前だとかなり気にするようです。
色々と原因の察しはついているのですが、直接関われないものに対してどう影響をあたえるのかというのは本当に難しいです。
しかし、世の中にはよくあるケースではないでしょうか。
間接的に環境を変えるか?
周囲を巻き込んで直接的に環境を変えるか?
家庭内のプラスの影響を更に大きくしてマイナスの影響に打ち勝ちやすくするか?
どうするといいでしょうね。