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Ruby プログラマ tbpgr(てぃーびー) のブログ

圧倒的物理「見える化」と人の感情を大切にするヴァル研究所を見学してきた

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圧倒的物理による「見える化」と人の感情を大切にする「楽しい」労働環境を作っている
駅すぱあと」のヴァル研究所さんを見学してきました。

経緯

ヴァル研究所のぷぽさん( pupupopo88 )に機会をいただき、

と私「てぃーびー( tbpgr )」の3名で社内を見学させていただきました。

大きく分けて

  • 社内見学
  • KPT談義

の2つを行いました。

社内見学

主に社内で行われている「見える化」関連の取り組みをみせていただきました。
ヴァル研究所のみなさま、お忙しい中ありがとうございました。

物理

全般に徹底的に物理で「見える化」をしていたのが印象的でした。
電子に比べて効率性で劣りますが、一覧性が高いのと
物理であることで、物理なものと連動した遊び心みたいなものが
発動しやすいというのを見ていて思いました。
見栄えなど、ちょっとした工夫に関しても、すぐには変更しようがない
「ありもののシステム」には難しいですね。

一方で、リモートワークとのバランスを考えると電子によせざるを得ないという
話はあるようですが。

バリューストリームマッピング(VSM)

VSM はリーン生産方式の手法で、もともとは「材料と情報のフロー」としてトヨタで用いられていた手法です。
VSM はタスクを細分化し、各段階の材料とそれに関る情報を図示します。

KPT

物理のKPTボードをみました。
けっこう付箋の数が多いな、という印象をうけました。

リリーストレイン

月単位のマイルストーンが「見える化」されてました。
プロジェクトに関る時間とタスクと担当者や、タスク間の関係がひと目で把握可能になっていました。

カレンダーボード

日にち単位でタスクを確認するためのもの。
リリーストレインよりも粒度が細かい日々のタスクを可視化したもの。

スプリントボード

1-2週間単位で行う開発サイクル向けのためのもの。
Todo, Doing, Done で構成されます。
チームによっては Pending があるなど、それぞれカスタマイズしているようです。

感情の可視化

毎日どんな気持ちで業務をしたかがシールの色を用いて5段階で可視化されていました。

遊び心

そこかしこにおもちゃやキャラクターモチーフにしたシールなどがあり、
仕組みに「楽しさ」を織り込む努力をしていました。

意識づけ

チームが主導して自分たちが意識すべきことを
紙に印刷して壁に張り出していました。
※組織側がトップダウンで押し着せた標語などではない

褒めボード

同僚への感謝が手書きの付箋で張り出されていた。 「田中さん 難題を相談したら解決してくれた。ありがとうございます。 鈴木」のような感じのものが ボードいっぱいに貼り付けてあった。

KPT 談義

社内中でがっつり KPT を実施しているヴァル研究所のぷぽさんに
KPT に関する疑問をあれこれ投げかける会を実施しました。

以下、私が行った質問の答えをまとめます。

各K, P, T で取り扱う課題の数に上限があるか?

ない。
制限を増やして何も K, P, T がでないよりは、出たほうがいい、というのが理由。

取り扱う課題の粒度は揃えていますか?

まばら。
大き過ぎて手がつかないものは別途ミーティングの機会を設けることも。

KPTの取り組みを広げる際にファシリテーターの教育はどのようにしていますか?

チーム間のコミュニケーションや、外部講師への相談などにより実質の教育になっている。

心理的安全性がない状態でスタートした KPT心理的安全性が生まれたことはありますか?

ある。
推進者の努力でなんとかした。
例えば、意図的に場の雰囲気が盛り上がるような発言をするなど。

KPT導入前後のチームの雰囲気

チームによって差があるが、総じてよくなった。

個別のチームのKPTノウハウの共有

「あえて個別のチーム独自のやり方で行っている「見える化」等の取り組みに関して、
よい部分の共有はどうしていますか?」という質問をしました。

  • 全体発表の機会
  • 見学会の案内を担当するものが他チームの取り組みをみることになる

などがあるそうです。
後者が面白くて、もともとそういった意図の取り組みでは無いにも関わらず
ポジティブな効果が生まれているのですね。

まとめ

社内見学

社内見学の感想としては、圧倒的可視化によって業務の全体像の把握や、
現状の把握、メンバーの感情などが把握しやすくなっています。
まず、物事の真因分析に必要となる全体思考をする際に必要となる仕事の全体像を把握しやすくなっている、という面で大きなメリットを感じました。
次に問題の目詰まりが発見しやすくなっています。
つまり、「症状の発見がしやすく」「真因発見もしやすい」ということになります。
そして KPT があることで実際に「定期的に問題解決・改善が実施される」ということになります。
常に問題が解決・改善され続けている組織というのは、そうでない組織に比べて
多大な成長をしていることが想像されます。
また、そういった組織にいる人材自身も成長しているはずです。

このような改善の側面以外に、「人間」「感情」を大切にしているな、ということを感じました。
会社組織で実際に働くのは人間です。人間は充実しているほうがパフォーマンスを発揮しますし、
そもそも会社は顧客だけではなく、社員の幸福も追求しているほうがよいですよね。
そういった面で、ヴァル研究所は「感情の可視化」の取り組みや、一つ一つの取り組みに対して
かなり意識的に「楽しさ」を取り入れているように感じました。

例えば仮に粛々とやっていてはつまらないような業務であったとしても、
チームとのやりとりや、その業務を改善していく仕組み・取り組みそのものが楽しいと
業務も楽しくなることが想像できます。

そんなこんなで、とてもよい取り組みをしているとてもよい会社だなという印象をうけました。

KPT談義

KPT談義については、自身はチームでのKPTをほぼやったことがないので
実践している方の話を聞くことができて、非常に参考になったのとともに
メンバーの集まりであるチームの取り組みである以上、

  • メンバーの特性
  • メンバーの成長フェーズ
  • チームの特性
  • 取り組む対象の特性

などによって、必要な振り返りの仕方は大きく異なりそうだと感じました。

謝辞

ヴァル研究所の皆様、ぷぽさんお忙しい中、見学させていただきありがとうございます。
もし記載内容に齟齬などありましたら、公開中止・内容変更等行いますので
お知らせいただければ幸いです。

補足

その他の情報

数多くの会社がヴァル研究所への見学を行っていて、その内容をブログでアウトプットしているため、
より詳しい情報を知りたい場合は、「 ヴァル研究所 見学 」で検索するとあれこれでてきます。

書籍

ヴァル研究所のアジャイル導入の主導者であった、新井さんが執筆された書籍が2018/02/07 に発売されます。
この世界を作った秘訣がここに!?

カイゼン・ジャーニー たった1人からはじめて、「越境」するチームをつくるまで

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