創造チームの役割を明確にしているか?
創造チームの役割を明確にしているか?
創造に必要な労働環境と生産性向上を追求する労働環境は大きく異なります。
そのため、創造的な活動を主要な成果として求めるチームと
製品やサービスを成果物として提供する生産ラインのチームの役割を意識しておくことで
各チームに与える労働環境を作り分ける必要があります。
場合によっては双方の特徴を持つチームもあるでしょう。
その場合はハイブリッドな環境を考える必要がありそうです。
ここでは創造を担当する部分を「 開発組織 」
ここでは生産ラインを「 生産組織 」
と呼ぶことにします。
これは開発・生産の見本とされることが多い
を意識してのものです。
開発組織
開発組織の役割は組織の競争力の源泉となる製品・サービスを開発することや、
それらをより効率よくつくる仕組みを作り上げることなどです。
この開発した製品・サービスを作り上げる方法やプロセスのことを 設計情報 と呼びます。
開発組織は 0 から価値を作り出す組織です。
ここで重要となるのはユーザーのニーズにあった製品・サービスを閃き、
MVP(Minimum Viable Product)をつくり、
早期にリリースしてユーザーのフィードバックを得て価値を高めていきます。
この際に必要となるのは
- 素早く何度も試行錯誤を行うこと
- 対象領域に関する深い知識と経験を持つことにより洞察力を得ること
- 個性があつまり相乗効果を生むチームであること
などです。
必要だと考えていた対象だけがヒントになるとは限りません。
閃きにとって、多くの情報が有益ということです。
その為、雑多な情報を得たり交換することに価値があります。
視界に遊び心が生まれるようなレゴのような面白いものがある、ということも閃きを促進します。
一見無駄にも思える雑談の中から、
一見遊び場のような職場環境の中から、
企業の命運を分ける製品の設計情報を閃く可能性があります。
意識的に集中状態から離れることも重要です。
閃きは、 マインドワンダリング と呼ばれる無意識中の脳の働きによって促されるためです。
脳は無意識中に直前に取り組んでいた強い関心ごとに関する情報を頭であれこれ組み合わせます。
これによって新規の閃きを得やすくなっています。
そのため、一見遊んでいたり、だらけていたり、サボっているようにしか見えない時間を意図的に作ることが重要になります。
このような特性を生かしやすい労働環境を作っていくことで開発組織の成果を支援する必要があります。
生産組織
開発組織が作り出した設計情報を元に製品を仕上げるのが生産組織です。
この仕上げる行為のことを設計情報に基づいた 転写 と呼びます。
生産組織ではいかに集中し、一定時間内で多くの成果物を作り上げるかが重要になります。
そのため、雑談や休憩が重要となる開発組織とは必要とされる環境の特徴がかなり異なります。
ハイブリッド組織
開発組織と生産組織について言及しましたが、必ずしも両者が綺麗に別れるケースばかりではないだろうと思います。
例えばITベンチャーなどは、未知のサービスを作り上げるという点においては
開発組織的な特徴を持ちますが、いざ開発者が機能を作り上げるフェーズは生産組織としての環境が整っている方が好ましいでしょう。
こういった際は物理的な場所や時間で工夫を行うとよいでしょう。
例えば閃きを求めるミーティングを行う場所は専用の部屋を作り、
普段の生産活動を行う場所は集中できるようにするなど、です。
まとめ
創造を担当するものと生産を担当するものの役割は大きくことなります。
ここが曖昧だとメンバーの採用時に求められる能力も不明確になります。
これらを区別した上で、各チーム・各個人にどちらの役割を求めているのか明確にする必要があるでしょう。