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システム開発の現場改善記 - あるプロジェクトを営業上がりの新人開発者が救った話

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概要

あるプロジェクトを営業上がりの新人開発者が救った話

システム開発の現場改善記シリーズの目的

下記のリンク先を参照ください

前提

  • とある SI'er の案件の 2 次請として派遣されて、 Java の Web システムの開発をしていた時の話
  • 現場には様々な協力会社やフリーのエンジニアが集められており、一枚岩ではない
  • そこそこ大きな規模のプロジェクト
    • 8 人前後のチームが 3 チーム, その他の小規模なチームが数チームあるのが基本体制
      • 8 人前後のチームを仮に 松チーム・竹チーム・梅チーム とます
    • テストフェーズはテストメンバーを大勢動員。物量で押す
    • 納品間際は、後半工程のみ登場する人たちも多数
  • 同じ会社の同期と 2 人で参入していた
  • 同期は元営業職
    • コミュニケーション能力が高い
    • 駆け引きがうまい
    • 雰囲気づくりがうまい
  • 同期は、当時ソフトウェア開発者になって 半年 程度
    • 全タスクの中で、一番簡単な部類の開発をなんとかこなすレベル
  • 同期=仮に松岡くんとして話を進めます

目次

  1. 状況
  2. 危機
  3. 隠れた英雄
  4. 結果

1. 状況

とある SI'er の開発現場。

毎月 250 - 300 時間労働 の日々。
すでに半年以上のデスマーチを経て、このままではどうやっても納品は間に合わず、
仕方なく 納期の延期が決定 しました。

全体的な方針の変更のため毎日会議室に各チームの主要メンバーが集まっては
様々な方針を決めていました。私もこの会議にサブリーダーとして出席していました。

松チームと竹チームはインターフェースを決め、連携する必要があります。
この 2 チームの作る成果物が このシステムの肝 です。
この部分の設計を再検討することになりました。

松チーム のリーダーまじめで短気 で DB 周りのスキルに長けています。プログラムの設計についてはあまり詳しくありません。
竹チーム のリーダー自由奔放で短気 ですが、プログラムの設計・実装については 折り紙つきの実力者 であり、
お客様とも 長年の付き合い があり、 信頼関係 もある実力者です。
実力者故に、 勤怠の緩さ非常に怒りっぽく周りに当たり散らす点 などについては
経営陣から許容されていました。

しかし、個別の開発者のほとんどは この特別待遇の経緯 は知りません。
「あの人なんで、 あんな勤怠 で何も言われないの?」とか、
「あの人、今日 何時に来るか賭けようぜ !負けた方がスタバのコーヒーを奢りね」
などの声が聞こえるような状況でした。

松チームのリーダーも当然特別待遇の理由は知りません。
元々まじめで短気という気質もあり、 いい加減に見える竹チームのリーダーのことを
良く思っていなかったようです。

そして事件が・・・

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2. 危機

松-竹間のインターフェース設計の方針について、連日のようにバトルが始まってしまいました。
松チームのリーダーの設計案は 冗長 なもので、松チームの労力は以前とあまり変わりませんが、
竹チームの開発者に多大な労力を要し ます。
竹チームのリーダーの案は 全体が楽をできて、 DRY な理想的なものです。
しかし、それを 理解できるメンバーは一握り です。

この 2 案のどちらを採用するかどうかで議論は白熱。
連日、喧嘩とも思える議論が続きますが、結論がでません。
この二人は元々相性が悪く、 小さな小競り合い をしていた経緯はあるのですが、
ここでお互いの 不満が爆発 してしまいました。

結局、松竹双方のリーダーが「 あいつと仕事するぐらいなら俺はこのプロジェクトを降りる
という状況に発展してしまいました。

プロジェクトの成功のためには 双方欠かせない重要な戦力 です。
どちらか一方でも離脱すれば、 プロジェクトの失敗は明らか です。

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3. 隠れた英雄

ある日、 PM から私と松岡くんだけ呼び出されました。

PM 「あの二人がやめないように説得してね。」
PM 「プロジェクトの命運は君たちにかかってるから。じゃっ、よろしくっ」
私・松岡くん 「 えええええええ!!
PM 「じゃっ、よろしく!」( 威圧感のある握手
私・松岡くん 「ふぇぇ。は、はい。やってみます」
※これ、脚色なしの実話なのが恐ろしい

なんという G 級クエスト!!

元営業ならではのスキルを生かし、これまでも 殺伐とした現場のコミュニケーションを円滑にしてきた松岡くん と、
今まで 松竹双方の衝突の緩衝材 の役割をしていた私に白羽の矢が立ったのです。

実は、納期延期以前も二人のリーダーの相性が悪かったため、
松チームのサブリーダー竹チームのサブリーダー である私の二人で申し合わせて、
できるだけ リーダー同士が接触しないよう に間に入っていたのです。

私は元々コミュニケーションスキルは高くありません。
そこで、私は今まで通り緩衝材の役割を続けつつ水面下の動きがばれないようにサポートをし、
松岡くんが 竹チームのリーダーをなだめる ことになりました。

松岡くんは、プロジェクト参入中に様々なキーマンと仲良くなっていました。
各所のキーマンの協力も得て 見事に竹チームのリーダーをなだめることに成功 しました。
片方が矛を収めたということもあり、 松チームのリーダーとの衝突はなくなりました。

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4. 結果

松岡くんの活躍もあり、設計は折衷案でまとまり 両リーダーの離脱を回避 できました。

相変わらず激務の開発だったものの、納期延期前よりは多少楽な状態で何とか納品に成功し、
運用に入ってからも特に大きな問題がなく プロジェクトは成功 で幕を閉じました。

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5. オチ

プロジェクトを救ったヒーローとも言える松岡くんですが、
勤怠が悪すぎて 、納品後に契約を打ち切られましたとさ。
彼には 勤怠の悪さを覆すほどの実力がない 、という判定がくだったということですね。
プロジェクトを救った功績はどこへ・・・
めでたし、めでたし。

ちなみに、この松岡くんは 次の現場ではサブリーダークラス に。
私が転職して別々の道を歩んだあとは アーキテクトチームに所属 するまでになったそうです。

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ポイント

  • 開発現場の「人」の課題
  • 派遣寄せ集め現場の弊害
  • 実力を理由に自由な裁量を持たせることは有効な手段だが、全体にその理由を共有しておく必要がある
  • コミュニケーション能力に長けた人物がいることの利点
    • 仮にリーダー同士の衝突がなくてもチームの雰囲気作りの大きく貢献していた
  • 胃が痛かった
  • そういえば、これって「改善記」なのだろうか?

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