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お仕事パターンカタログ - お腹が減ったら魚をもらうのではなく、魚の釣り方を教えてもらう

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臭い

上級者に助けてもらう際に、手法を教わらずに丸ごと解決してもらう。
さらに、解決方法を確認しない。

アドバイス

魚をもらっているのか、釣り方を教わっているのか意識する

例えば、あるシステムの特定のクラスは自動生成ツールで作成する必要があるとします。
あなたは、自動生成でクラスを作りたいとします。
自動生成ツールについては、 A さんが詳しいという情報を仕入れました。
A さんにツールについて聞きにいくと、自動生成まで行ってくれました。

結果のクラスを受け取り、あなたは作業を続けます。
その後、別のクラスを生成したくなり、再び A さんに自動生成の依頼をしに行きます。

あなたは魚そのものをもらい続けています。
もし、魚の釣り方 = 自動生成ツールの使い方を教わっていれば、
2 回目以降に何度も A さんに聞きに行く必要はありません。

このように、魚そのものをもらってしまうと
解決方法を学ばずに、同じ質問を何度も繰り返すことになります。

難し過ぎる場合

難しすぎて釣り方を教わるフェーズではない(教わっても分からない)作業もあります。
ただ、そんな時でも問題解決の思考過程だけでも聞いておくと役に立つでしょう。

教える側の視点

親切過ぎる弊害

前述の A さんのケースですが、 A さん側も 魚を与えるのではなく
魚の釣り方を教えるように意識する 必要があります。
こういったケースは、 A さん側もお礼を言われることが多く
とても良いことをしている雰囲気 になりますが、そんなことはありません。

本人は親切のつもりで、クラスの生成までやっているのかもしれませんが、
人が増えるたびに A さんの負荷は増し、 ボトルネックになりかねません
せっかくの自動化が A さんというクリティカルパスを通さないと実行できないのです。

誰でもできる作業はドキュメント化し、 ナレッジ管理ツールなどで共有した方がよいでしょう。

さておき、こういった親切過ぎる人を説得するのは結構難しかったりしますよね。
あちらも基本は善意からくる行動であるため、否定すると衝突しかねないです。

フィードバックを得ることができているか?

自分が気づかないうちに魚の釣り方ではなく、魚自体を与えていることもあるかもしれません。
その際に、部下・後輩が 気兼ねなく、あなたにそのことを指摘できるような人間関係 を作り上げておくことも大切です。
恐怖政治を行っている人は部下・後輩が質問したくてもできなくなり、 教育担当としての自身を成長させる機会を失ってしまいます

体制的欠陥

様々な会社が集まる寄せ集め的な現場では、 各担当者が他社の担当者の人材育成まで関心を持たない ケースが多いです。
そのため、 釣り方を教えるモチベーションが低く なります。
経験上、そういった現場できちんと アドバイスを行ってくれる他者の上司・先輩材は少数派 です。
本来開発チーム全体で見れば、各個人のスキル向上は大きな利益なはずなのですが、
各会社単位で 部分最適 されてしまっているため、全体の利益を損ねてしまっています。

もともと 教えるのが好きだったり、プロとして妥協をしたくない気質の人 は丁寧に教えてくれたりしますが、
大抵そういった人から寄せ集め 現場からいなくなってしまう のが常です。

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